火付盗賊改方の役宅近くに、平蔵(中村吉右衛門)と旧知の間柄である九兵衛(柳家小さん)が営む居酒屋がある。ある日、そこに珊瑚玉のかんざしを挿した女が現れ、急いで平蔵に渡して欲しいと言って文と心づけを置いていった。ちょうど店にやって来た同心・木村忠吾(尾美としのり)が文を預かるが、そのまま深酒してしまい夜更けになってから平蔵に届けた。文に目を通した平蔵は、忠吾を激しく叱責。それは、仙台堀にある足袋問屋「鎌倉屋」に今夜、盗賊が押し入ることを密告するものであった。平蔵らは、鎌倉屋へ急行するが、すでに盗賊が金を奪って姿を消したあとだった。平蔵は、文を届けた女が、元は木更津で旅籠の女将をしていたお百(高島礼子)であることを突き止める。お百は昔、平蔵が通っていた「車屋」という茶店に奉公していた娘だった。当時、お百は若侍・横山小平次の子供を身ごもり産んでいた。お百のために、平蔵は持参金を工面し、木更津の百姓家へ嫁がせてやったのだ。平蔵は密偵のおまさ(梶芽衣子)を通じ、お百を呼び出した。そしてお百が、盗賊・笹子の長兵衛に拾われていたことを知る。一味は、お百の息子・紋蔵(高橋光臣)が継いでおり、鎌倉屋への押し込みも紋蔵たちの仕業だった。
Name | Type | Role | |
---|---|---|---|
Megumi Tamura | Writer | ||
Keiichiro Yoshida | Director |