薬種問屋「山城屋」に盗賊が入り、七百八十両が盗まれた。平蔵(中村吉右衛門)らの調べにより、関東一円を荒らし回っていた大泥棒・傘山の弥兵衛の息子・弥太郎(市川染五郎)一味の仕業と判明する。引き込み女を山城屋に奉公させるために、それらしい親元まで作って五年もの歳月をかけるという本格のやり口だった。ある日、弥太郎のもとに、尾張の凶盗・鳴海の繁蔵(布施 博)の使いである長嶋の久五郎(松平 健)が手紙を持って現れた。手紙は、先代同士の遺言で、弥太郎と繁蔵の妹・お糸(黒川智花)が結婚する約束だという内容だった。弥太郎は、久五郎を通じて、お糸とは結婚するが稼業の上での付き合いはしないと返答する。先代とは違う、繁蔵一味の非道な急ぎばたらきを、弥太郎は快く思っていなかった。そんなある日、平蔵は料理屋「瓢箪屋」を訪れた。平蔵は、店主・勘助(中村歌六)の身のこなしにただならぬものを感じ、密偵・伊三次(三浦浩一)に調べさせる。瓢箪屋は弥太郎一味の盗人宿だった。瓢箪屋から出てきた久五郎を名古屋まで追いかけた伊三次は、弥太郎の婚礼話を突き止め、平蔵につなぎを出した。だが、伊三次は久五郎の身の上に自分を重ね、次第に肩入れしてしまう。それを知った平蔵は…。
Name | Type | Role | |
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Motomu Furuta | Writer | ||
Shigeru Ishihara | Director |