ある夜、平蔵(中村吉右衛門)の役宅に、女(光本幸子)から一通の密書が届いた。差出人の名はなく、女は左足を引きずっていたという。手紙は、深川の足袋股引問屋「鎌倉屋」に、今夜盗っ人が押し入るとのことだった。半信半疑ながらも、同心を引き連れ出向いた平蔵は、そこで盗賊・伏屋の紋蔵(沖田浩之)一味を捕まえた。若い者ばかりで凶行に及び、急ぎばたらきを繰り返していた凶賊であった。紋蔵の顔を見た平蔵は、かつての遊び仲間の横山小平太(沖田浩之/二役)に瓜ふたつであることに驚く。小平太は、昔、平蔵が妹のようにかわいがっていた茶店の娘・お百に手を付け、身ごもったというお百を石段から突き落としたのだ。紋蔵は、そのお百の子供だった。やがて、紋蔵らを密告した女がお百であることがわかる。なぜ、母親が自らの子を密告したのか。平蔵は、その居所をつかむため、紋蔵に、自分が紋蔵の父親だと偽の告白をする。
Name | Type | Role | |
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Kiyoshi Taniguchi | Writer | ||
Hitoshi Ozu | Director |