五十海の権平(山本 弘)をはじめ、名うての盗っ人たちが平蔵(中村吉右衛門)の手にかかっていた。捕縛をまぬがれた盗賊たちは恐れおののき、江戸を去る者があとを絶たなかった。ある日、平蔵と木村忠吾(尾美としのり)は、そば屋でひとりの男に出会う。物腰は柔らかいが、平蔵をうかがうその目には鋭い憎悪が見てとれた。男の名は蛇(くちなわ)の平十郎(石橋蓮司)。名前の通りの執念深い男で、その手口は水際立っており、大口の盗みばたらきを続けていた。一年、二年とかけて盗みを企てている間、組む相手や手下にさえ顔を見せようとしない抜け目のない大盗っ人であった。平十郎が次に狙うのは、将軍家に取り入り御典医にまで成り上がった千賀道有(福中勢至郎)の屋敷。その金蔵から一万両を盗み、江戸で大仕事をやってのけることで、平蔵たちの顔に泥を塗る魂胆だった。平十郎の企みが自分への挑戦だと悟った平蔵は、慎重に調べを進めていく。
Name | Type | Role | |
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Kei Tasaka | Writer | ||
Masahiro Takase | Director |