昔懐かしい佇まいの『アパートの清水』のとある一室――。 初デートをすっぽかされたと怒り心頭の彼女から盛大な平手打ちを食らった売れない漫画家・狩野進(横山裕)が、寝起き状態のボロボロな姿で座り込んでいると、インターホンが鳴る。“彼女が戻って来たのかも!”とドアを開けると、そこには高級ティッシュを差し出す小さな男の子がひとりで立っていた。 「隣に越してきた“さとう”と申す。以後、お見知りおきを」 確かこのアパートは子連れ入居禁止だったはず…と怪訝な表情を浮かべる狩野に、この不思議な話し方をする5歳児・さとうコタロー(川原瑛都)は、自分は1人暮らしだとキッパリ宣言する。 状況が飲み込めず、ぼう然とする狩野に追い打ちを掛けるように、出版社の編集担当・福野一平(大倉孝二)から催促の電話が。さらに、まずは腹ごしらえ!と冷蔵庫を開けるも中はスッカラカン…。 そんな中、インターホンが鳴り、再びコタローがやって来る。部屋にお風呂が見当たらないというコタローに、狩野は近所の銭湯を教える。張り切って銭湯に向かうコタローを「面倒なヤツが引っ越してきたな…」とため息ながらに見送った狩野だが、コワモテの住人・田丸勇(生瀬勝久)が電話で怒鳴り散らしている姿を目撃、さらにテレビで5歳児の行方不明事件のニュースを見て、急にひとりで出掛けたコタローが心配になる。慌てて後を追い、一緒にアパートに戻って来ると、住人・秋友美月(山本舞香)と出会って…? 大人顔負けの言動をするしっかり者だが、アニメ『とのさまん』が大好きで主人公と同じ“殿様語”を話すなど、子どもらしい一面ももつ訳アリ5歳児・コタローと衝撃の出会いを果たした狩野、そしてアパートの住人たちの不思議な交流が始まる――。