東京で1週間が過ぎた。 しかし純が好きだった友だちも先生も、 純には以前と違って色褪せてみえた。 「ぼくの方が変ったんだ。きっとそうだ」 北海道の大自然の中で五郎とともに生きてきた この1年間が純をたくましく変えたのだった。 富良野に戻ると父の建てた夢の丸太小屋が 純と螢を待っていた。そしてある夜、 死んだと思っていた螢のキツネが 何ヶ月ぶりかで帰って来た。