とあるマンションのキッチン。男の手がステーキを焼いている。スパイスの使い方や肉のフランベ。決して器用ではないが、ある種の美意識を感じさせる一連の動作。男は建築家・桑野信介(阿部寛)。出来上がった料理を一口ずつ満足げに味わっていると携帯電話が鳴った。信介の事務所の助手・英治(塚本高史)が、今夜のパーティーを忘れていることを知らせてきたのだ。「古代ローマ人のパーティーってのは寝そべって、手づかみで食ってたらしいぞ。知ってるか」と話題を変えようとする信介。結局、信介はパーティーに顔を出したものの、出席者の女性にウンチクを散々語って避けられてしまった。「キャラ考え直さないと、孤独になりますよ」と英治に言われた信介は「一人が好きなんだ、悪いか!」と居直るのだった。 後日、住宅プロデュース会社の摩耶(高島礼子)は、信介が手がけた建築途中の家に客を案内するが、ここでも信介の偏屈ぶりが原因で商談不成立。摩耶と英治は人当たりの悪い信介に呆れながらも、一方で、信介が手がける家族のぬくもりが感じられるキッチン中心の家作りを尊敬している。 その夜、信介は自分で作ったオムレツで食事をしていると、隣の部屋からカップルのイチャつき声が聞こえてきた。気分を害した信介は聴いていたクラシックのボリュームを上げて『してやったり!』の表情を浮かべるが、とたん腹痛に襲われる。一方、「また!」とカチンと来て壁を見上げたのは隣に住んでいるOL・田村みちる(国仲涼子)。愛犬との癒しの時間を度々邪魔されていたみちるは怒り心頭。『今日こそは!』と信介の部屋の前に
Name | Type | Role | |
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Masaya Ozaki | Writer | ||
Ueda Hisashi | Director | ||
Yoshishige Miyake | Director | ||
Komatsu Takashi | Director |