東京・銀座の一角にある車2台ほどの小さなコインパーキングで、揚げたてのコロッケを握った女性の遺体が見つかった。知らせを受けた警視庁捜査一課長・大岩純一(内藤剛志)は、すぐさま臨場する。 コロッケを調べたところ、その温度から揚げたてであることは間違いなかったが、徒歩30分圏内にあるコンビニエンスストアやデパートの総菜コーナーで売っているものとは、色も大きさも微妙に異なっており、どこで購入したのかは謎だった。現場資料班刑事・平井真琴(斉藤由貴)は野次馬の中にコックコートを着た人物を見かけて声をかけるが、その女性・北尾映見(谷まりあ)は何も目撃していないと話して去っていく。 まもなく遺体の身元は、戸越銀座にあるスーパーの総菜コーナー勤務の揚田温子(西尾まり)と判明。温子はコロッケの調理を長らく担当しており、味はもちろんのこと、幸運をもたらすコロッケだとSNSで評判を集め、地域の人々から“コロッケの女神”と呼ばれていたとわかる。ところが、遺体が握っていたものと温子がスーパーで揚げていたコロッケは、まったくの別物だった。 その矢先、遺体発見現場となったコインパーキングの土地の所有者が、温子本人だという事実が発覚! 不動産業者によると、温子は最近になって土地の売却を決めたが、契約寸前まで漕ぎつけた買い手とトラブルとなり、破談になったという。その買い手とは、なんと真琴が現場で見かけた映見で、彼女は“ソースの魔術師”ともてはやされ、メディアにも引っ張りだこの人気高級フレンチレストランのシェフだった。 もしや土地の売買でもめた末に、映見が温子を殺害したのか!? 大岩たちが捜査を進めたところ、2人には土地のトラブルだけではない、深い因縁があったことがわかり…!? “庶民派コロッケの女神”と“高級フレンチのソースの魔術師”――正反対の料理を突き詰める2人の間にいったい何があったのか…!?