とある日の科捜研。橋口呂太(渡部秀)がにわかには信じられない様な話を始める。それは、知り合いの少年の元に、亡くなった父親の記憶を受け継いだという男が現れたというものだった。呂太に懇願され、榊マリコ(沢口靖子)は、その少年に会いに公園へと向かう。 少年の父親は、大学准教授の賀茂井健治。一ヵ月前にとある境内の階段から転落死したが、「臓器提供意思表示カード」を所持していたためドナーとなることになった。公園についたマリコらが目にしたのは、少年・賀茂井大翔(潤浩)に一人の中年男性・笠城覚士(橋本じゅん)が親しげに話しかける様子で、彼こそが賀茂井から臓器を提供してもらったレシピエント(移植を受けた人)だという。笠城は、「お父さんから腎臓をもらった時に、一緒にお父さんの記憶ももらった」と語り、「お父さんは殺された」と謎の発言を残して去ってゆく…。 賀茂井の死は単なる事故ではないと感じたマリコらは賀茂井の研究室に向かう。彼の大学での研究内容は“セルメモリー(細胞記憶)”で、記憶は生物の細胞そのものに蓄えられるというもの。その研究室では白衣姿の研究員・高平理香子(柳美稀)がマリコにセルメモリー研究の有用性、人間の記憶の神秘性を熱く語るが、マリコは彼女に驚きの質問を行って…!? マリコらはその足で賀茂井宅に向かい、彼の妻である恵美(遊井亮子)から事故当日の賀茂井のコートを入手。鑑定すると、本人と妻以外の指紋が検出された。やはり、賀茂井は誰かに突き飛ばされたのか…!? やがて、賀茂井准教授の関係者が殺害される事件が発生!その被害者の指紋が、賀茂井のコートについていた指紋と一致…!もしや、賀茂井の記憶を受け継いだ男が“復讐殺人”を行っているのか…!? 科学的に完全には解明されていないという《記憶のメカニズム》…果たして、本当に記憶は細胞を介して、受け継がれていくのか? ひとつしかない真実に、マリコたち科捜研メンバーが緻密な捜査と鑑定で挑むが…。