1976年、旧ソビエトの戦闘機ミグ25が突如、函館空港に強行着陸し、パイロットのベレンコ中尉はアメリカへの亡命を要求。ソビエト軍のミグ奪回攻撃を恐れた函館の陸上自衛隊第28連隊は極秘裏に準備した。元自衛官が初めて明かす緊迫の真実。高校時代に函館でミグの飛来を目撃した芥川賞作家の辻仁成は、亡命後のベレンコに会う。国家と個人とは何か、辻の中で今も続く問いとは?亡命受け入れに動いたアメリカの思惑にも迫る