龍神の神子として紫の館に招かれた花梨は、元の世界へ戻るためにも、自分の八葉となる者を探し始める。 しかし、院と帝の二派に分かれた「京」の荒廃は想像以上だった。 しかも、京にはすでに平 千歳という別の神子が存在していたのだ。 心の拠り所だったアクラムも姿を見せず、孤独に耐え切れない花梨はついに倒れてしまう。 そんな花梨を誘いに来たのは、八葉の一人、天の玄武・泉水だった。 「できることからやってみようと思う」と語る花梨に感銘を受ける泉水。 一方、院の密偵として花梨を監視する頼忠には、棟梁から思いがけない密命が下っていた。 「あの少女を…私に、斬れと?」 花梨はまだ、それを知らない――。