早乙女悠里(天海祐希)は、都内でスポーツジムやエステ事業を展開するYSコーポレーションの社長で、教育に関する著書も出版するカリスマ美容研究家だ。そんな悠里が、人生のすべてを捧げて取り組んでいるのがオリンピックの金メダリストを育てること。悠里には、競泳のオリンピック代表選手で、金メダル確実と言われながら本番直前に事故で他界した兄・修一(水上剣星)がいた。最愛の兄の夢をかなえるため、悠里は、ソウルオリンピックのレスリングで金メダルを獲った明石辰也(寺島進)と結婚した。それは、自分に欠けていた筋力と持久力を補う、優秀な遺伝子を手に入れるためだった。 悠里は、そうして生まれた子――長男の洸(松坂桃李)は競泳、次男の廉(矢野聖人)は陸上、長女の晶(武井咲)は高飛び込みで、それぞれロンドンオリンピックの代表候補選手に育て上げていた。そんな悠里にとって一番の理解者が、洸たちのトレーナーで、ジム総責任者でもある蓮見丈治(反町隆史)だ。丈治は、かつて修一と代表の座を争うほどの競泳選手でもあった。 ある日、悠里は、新しい秘書の面接を行い、失恋をきっかけに自立を目指して応募してきた新倉リカ(長澤まさみ)を採用する。悠里は、さっそくリカに、今日中に会社の寮に引っ越すよう指示する。さらに悠里は、タイムが上がっていない長男の洸に、1秒縮められたらキスをしてあげると約束するようリカに命じ・・・。
早乙女悠里(天海祐希)は、長女の晶(武井咲)とともに雑誌連載用の取材を受ける。その撮影を担当したのは、今風のイケメンカメラマン・宇津木洋介(綾野剛)だ。早乙女ファミリーの大ファンだという宇津木は、さっそく晶とメールアドレスの交換をする。それを見た新倉リカ(長澤まさみ)は、晶のことを心配していた。だが、悠里は、晶なら大丈夫、と気にも留めていなかった。ある日、悠里のもとに、長男の洸(松坂桃李)と別れたばかりの元恋人・椎名涼子(波瑠)がやってくる。涼子は、洸の子どもを身ごもっており、産みたいのだという。それを知った洸は、涼子に連絡して中絶をさせる、と言い出す。コーチの蓮見丈治(反町隆史)もそれに賛成した。しかし悠里は、洸には逃れられない責任があるとして、早乙女家のDNAを持つ、生まれてくる子の味方をすると言い切る。別の日、悠里は、別居中の夫・辰也(寺島進)に呼び出される。陸上競技を止めて自由になりたいと言い出し、早乙女家を追い出された次男・廉(矢野聖人)の件で相談があるのだという。辰也は、廉を早乙女家に戻せないか、と悠里に持ちかけた。悠里は、そんな辰也に、廉を上手く乗せて陸上競技を続ける気にさせてほしい、と返す。そんな折、悠里のもとに、涼子と彼女の父親・哲夫(平田満)がやってくる。哲夫は、涼子を説得して中絶させることにしたが泣き寝入りはしない、と言って悠里に慰謝料を請求する。
早乙女悠里(天海祐希)の会社『YSコーポレーション』では、児童施設の子どもたちのために水泳教室を開いていた。コーチ役は、ジムの総責任者・蓮見丈治(反町隆史)や悠里の長男・洸(松坂桃李)だ。その夜、珍しく長女の晶(武井咲)が夕食の時間になっても帰ってこなかった。友人の家でごちそうになると連絡があったらしい。それを知った洸は、弟の廉(矢野聖人)から聞いた話を悠里や丈治に打ち明けた。廉は、晶が若い男の運転する車に乗っている姿を目撃したというのだ。ほどなく、晶の相手は、カメラマンの宇津木洋介(綾野剛)だと判明する。宇津木は、晶の写真集も手がけることになっていた。悠里の秘書・新倉リカ(長澤まさみ)は、写真集の契約を解除するか、カメラマンを代えるべきだと悠里に提言した。晶が丈治に思いを寄せていることを知っていた悠里は、丈治から事情を聞く。そこで丈治は、悠里にプロポーズしたことを晶に話しただけだと答えた。悠里は、そんな丈治に対し、失望したと言い放つ。その夜、悠里は、別居中の夫・辰也(寺島進)を呼び出し、晶のことを相談する。悠里は、心配ないはずだが何故か胸騒ぎがする、と辰也に打ち明けた。そんなあくる日、悠里は、丹羽聖子(エド・はるみ)から電話をもらい、彼女が引きこもりの息子のことで悩んでいると知る。そこにやってきた丈治は、クレーマーの人生相談に乗るなんてどうかしている、と悠里を非難するが・・・。
早乙女悠里(天海祐希)は、長女の晶(武井咲)と交際しているカメラマンの宇津木洋介(綾野剛)を呼び出し、二度と晶に会わないよう言い渡した。すると晶は、ふたりの仲を認めないのならもうオリンピックを目指すのはやめる、と宣言し、家を飛び出してしまう。悠里は、晶のトレーナーでもある蓮見丈治(反町隆史)や長男の洸(松坂桃李)に、その経緯を打ち明けた。丈治は、晶のことは自分がなんとかする、と悠里に申し出る。悠里は、そんな丈治に、晶の父親である明石辰也(寺島進)も一緒に連れて行ってほしい、と頼む。あくる日、悠里のもとに、エステ部門のスタッフがやってきて、部長の相馬幸恵(賀来千香子)が過去に起こした事件について報告する。幸恵は、子どもを車の中に残してパチンコに興じ、熱中症で死なせてしまった過去があるというのだ。秘書の新倉リカ(長澤まさみ)は、悠里がすぐに幸恵の件を調査しないことに疑問を抱く。すると悠里は、幸恵と出会ったときからそのことは知っていた、とリカに告げる。そんな折、リカは、悠里の次男・廉(矢野聖人)と犬の散歩に出かける。リカは、何もしないでブラブラしている廉に、ひとつのことに一生懸命打ち込んでいる男子のほうが素敵だと思う、と告げた。そこで廉は、心臓に病気を抱えていることをリカに告白すると、悠里に不良品だと思われたくない、と言って泣き崩れ・・・。
早乙女悠里(天海祐希)は、クレーマーだった丹羽聖子(エド・はるみ)とすっかり親しくなり、どこかで会わないか、と彼女に提案した。だが、その言葉に驚いた聖子は受話器を落とし、その拍子に電話が切れてしまう。悠里のことを心配する丈治(反町隆史)は、秘書のリカ(長澤まさみ)に、電話の相手について調べるよう依頼した。そんな折、悠里は、長女の晶(武井咲)と交際中のカメラマン・宇津木洋介(綾野剛)が、悠里の兄・修一(水上剣星)の息子だと主張していることを知る。宇津木は、辰也(寺島進)にそう告白し、それ故、晶とは男女の関係になっていないと断言したらしい。悠里は、宇津木の話を信じなかった。しかし丈治は、晶が宇津木と一緒にいる以上、きちんと調べて話をつける必要がある、と悠里を諭した。あくる日、YSコーポレーションに廉(矢野聖人)がやってくる。久しぶりに悠里と対面した廉は、祖父の惣一(夏八木勲)から呼び出され、修一の死は事故ではなく自殺だと教えられた、と告げる。廉は、そのことを悠里が知っていたかどうか確かめるために訪ねてきたのだ。廉は、大きなショックを受けている洸(松坂桃李)のために、修一が自殺したことは知らなかった、と洸に言ってほしい、と悠里に頼んだが・・・。
悠里(天海祐希)は、修一(水上剣星)の息子だと主張するカメラマン・宇津木(綾野剛)のDNA鑑定を依頼する。悠里は、長女の晶(武井咲)を早乙女家に戻せば願い通りDNA鑑定を行う、と宇津木と約束していた。だが、悠里からその経緯を聞かされた晶は、宇津木にだまされていたと思いこみ、大きなショックを受けてしまう。リカ(長澤まさみ)は、悠里の運転手をしている保坂(志賀廣太郎)がひと言もしゃべらないことが気になっていた。悠里によれば、保坂はもともと悠里の父・惣一(夏八木勲)の運転手で、悠里の運転手を務めるようになって20年近いという。だが、悠里自身も、保坂の声を聞いていないらしい。そんな折、悠里たちは、刑務所の慰問に行くことになった。悠里は、子どもたちと一緒に、受刑者たちの前で楽器を演奏するという。悠里はハープ、洸(松坂桃李)はチェロ、廉(矢野聖人)はバイオリン、そして晶はフルートを演奏することができるのだ。一方、丈治(反町隆史)は、悠里の依頼で、宇津木の身辺調査に乗り出す。丈治は、宇津木の母親が温泉街でコンパニオンをしていたこと等を突き止め、悠里に報告する。刑務所慰問の日、休みをもらったリカは、会社のジムで汗を流す。そこにやってきた丈治は、リカから、刑務所慰問の件を教えられた。すると丈治は、悠里が慰問をするはずがない、と言い出し、すぐに悠里たちを追いかけようとリカに告げる。
ベストジュエリー賞を受賞した悠里(天海祐希)は、リカ(長澤まさみ)と洸(松坂桃李)をともなって受賞式に出席する。その席で洸は、宝石商の神代洋治(名高達男)に出会い、彼の娘である沙織(佐藤めぐみ)と麻衣子(南沢奈央)を紹介される。それは悠里が、見合いのような意味でセッティングしたものだった。その夜、丈治(反町隆史)は、悠里が、晶(武井咲)と宇津木(綾野剛)の交際を許したことを知る。丈治は、ふたりの交際には反対だと悠里に告げた。するとそこに、手で顔を隠すようにして晶がやってきた。宇津木に殴られたのだという。多忙を理由に会ってくれない宇津木に、カメラマンの仕事をやめて早乙女の会社に入れてもらえばいい、と晶が言ったことが原因らしい。それを聞いた丈治は、女の子を殴るようなやつとは付き合わない方がいい、と晶に助言した。そんな丈治の姿を見つめていた悠里は、丈治が、修一(水上剣星)と宇津木のDNA鑑定に関する報告書を改ざんしたのではないかと疑う。悠里は、丈治をプライベートバーに連れて行き、その件を問い正した。丈治は、それが惣一(夏八木勲)の意向であることを悠里に告げ、晶と宇津木を別れさせるべきだと主張した。しかし悠里の怒りは収まらなかった。丈治は、宇津木に電話をしようとする悠里に、このスキャンダルが明るみになれば、いまなお多くの人々から愛され続けている修一が汚される、と言って止めようとするが・・・。
早乙女悠里(天海祐希)は、秘書の新倉リカ(長澤まさみ)をともなって絵画展会場を訪れる。それは、悠里の母・笠原真理恵(倍賞美津子)の個展だった。真理恵は、惣一(夏八木勲)と離婚後、パリに渡り、画家として活動していた。惣一と真理恵は、子育てに関する考え方が違っていた、と悠里はリカに話した。真理恵は、他人との競争は成長のマイナスになるという考えの持ち主だった。実は悠里もその影響を強く受けており、修一(水上剣星)に対して厳しすぎる惣一に反発していたのだという。一方、晶(武井咲)は、宇津木洋介(綾野剛)が突然姿を消してしまったことにショックを受けていた。YSコーポレーションの社長室にやってきた晶は、悠里が宇津木に金を渡したことを察し、非難した。蓮見丈治(反町隆史)は、そんな晶に、悠里を恨むのは筋違いだ、と言い放つ。宇津木が、晶とは別れない、金は受け取らないと言えばいい話だ、と丈治は言うのだ。続けて丈治は、宇津木は最初からそのつもりだったと晶に告げた。晶は、涙をこらえながら、絶対に信じない、と言い残して、部屋を飛び出す。そんな折、思わぬ事件が起きた。長男の洸(松坂桃李)が、バイクにはねられたのだ。知らせを受けた悠里や辰也(寺島進)は、洸が収容された病院に駆けつけるが・・・。
早乙女悠里(天海祐希)は、オリンピックでゴールドメダルを獲得するという夢を、次男の廉(矢野聖人)に託す。悠里の思いを受け止めた廉は、兄の洸(松坂桃李)の代わりに、競泳の自由形への転向を申し出る。コーチの蓮見丈治(反町隆史)は驚きを隠せなかったが、廉がずば抜けた身体能力を持っていることなどを考慮し、本気で廉のトレーニングに取り組むことを決意する。一方、廉が心臓の病を抱えていることを知る新倉リカ(長澤まさみ)は、悠里にそれを打ち明けるべきかどうか悩む。リカは、辰也(寺島進)に相談を持ちかけた。しかし辰也は、廉から口止めされていることもあって、自分の口からは言えないという。あくる日、悠里は、母・真理恵(倍賞美津子)のもとを訪れる。真理恵は、洸が事故を起こしてケガをしたことを受け、悠里に対して母親失格だと言うと、東京での個展が終わったら洸をパリに連れて帰る、と宣言していた。悠里は、そんな真理恵に、オリンピックは諦めても、洸は早乙女家の長男なのだから返して欲しいと頼む。しかし真理恵は、やりたくないことをやらせるという意味では一緒だ、と言って取り合わなかった。するとそこに惣一(夏八木勲)が現れ、真理恵には洸を連れ出す権利はない、と言い放つ。同じころ、廉は、丈治の指導の下、厳しいトレーニングに取り組んでいた。だが、トレーニングを終えた廉は、シャワー室で胸を押さえてうずくまってしまい・・・。
早乙女悠里(天海祐希)は、父・惣一(夏八木勲)に代わって、早乙女グループの新代表に選ばれる。蓮見丈治(反町隆史)は、心臓疾患を持つ廉(矢野聖人)を競泳の代表選考会に出場させようとしている悠里を、惣一の力で止めてもらうつもりでいた。だが、悠里がグループの代表になったことで、そのもくろみは外れてしまう。同じころ、YSコーポレーションの室内プールで練習していた廉のもとに、洸(松坂桃李)がやってくる。洸は、神代麻衣子(南沢奈央)と一緒だった。自分の代わりに廉が代表選考会に出場することを知った洸は、手伝えることがあったら言ってほしい、と申し出る。その夜、悠里は、別居中の夫・辰也(寺島進)とプライベートバーで会う。辰也も、廉を選考会に出場させるのを止めようとしていた。しかし悠里は、辰也の頼みでもそれだけはできない、と拒否した。すると辰也は、自分なりに覚悟を決めてきた、と言って悠里に離婚届を手渡す。別の日、悠里は、秘書の新倉リカ(長澤まさみ)を伴って買い物に出かける。悠里は、大量のブランド品を買い求めた後、高級なレストランで食事をすると言い出す。そこでリカは、今回の廉の件は、人として、母親として間違っていると言い放つ。
早乙女悠里(天海祐希)は、無謀な賭けだと知りながら、廉(矢野聖人)の力を借りて洸(松坂桃李)を立ち直らせようとした。自らの命をかけて競泳の代表選考会に挑もうとする廉の姿が、洸の魂を奮い立たせてくれると信じていたのだ。悠里は、蓮見丈治(反町隆史)や父親の惣一(夏八木勲)にもそのことは秘密にしていた。知っていたのは晶(武井咲)だけだった。悠里の思いは通じ、選考会場にやってきた洸は、廉と同じ組で100m自由形のスタート台に立つ。会場にいた新倉リカ(長澤まさみ)や辰也(寺島進)も、洸の登場に驚きを隠せなかった。洸は、隣に立つ廉に向かって、お前なんかの出る幕じゃない、と告げると、スタートの合図と同時に力強く飛び込んだ。圧倒的な泳ぎを見せた洸は、見事トップでゴールする。 リカとともに関係者控室を訪れた辰也は、悠里に渡した離婚届を返してもらう。それを知った丈治は、この機会に早乙女家に戻ったらどうか、と辰也に提案する。そのころリカも、辰也に促されて、悠里に提出した辞表届けを返してもらおうとしていた。しかし悠里は、それを認めなかった。 悠里は、惣一に代わって、選考会の閉会式で挨拶をすることになった。ところがそこで思わぬ事件が起き・・・。