コロナ禍でホテル業界が苦しむ中、4月22日に大阪市浪速区で開業するホテルが注目されている。建てられたのが、日雇い労働者の街として有名な「あいりん地区」(西成区)にほど近い、30年以上も塩漬けになっていた土地だからだ。ホテルの名は「OMO7大阪」。手掛けるのは、あの星野リゾートだ。しかし星野佳路代表は、「都市観光に最適の場所。ここが変われば大阪市はガラリと変わる」と、その立地に自信を見せる。理由は、周辺の様々な観光スポットへのアクセスが良いこと。そして、大阪名物串カツの店などが軒を連ねる人気の下町「新世界」に近いこと。さらに、「あいりん地区」の変化も大きい。今でこそコロナ禍で勢いを失っているが、近年は、安宿を求める外国人旅行者が詰めかけ、「労働者の街でありながら観光の街でもある」という場所になりつつある。それらの周辺の街に、オープンする巨大なホテルはどんな影響を与えるのか?星野リゾート、日雇い労働者、地元で店を営む人々、3者の目線から追う。