三流私大を卒業した武誠治(二宮和也)は、部品会社に就職したが、社風になじめず、たった3ヵ月で辞めてしまう。 中堅商社で経理畑ひと筋に働いてきた父・誠一(竹中直人)は、何故相談もなく勝手に辞めたのか、と誠治を怒鳴りつけた。専業主婦の母・寿美子(浅野温子)は、誠治が自分で決めたことだから、と言ってかばった。誠治は、その気になればすぐに就職できると軽く考えていた。 しかし、就職活動は思うようにいかなかった。誠治は、とりあえずアルバイトを始めたものの、人間関係が上手くいかないとすぐに辞めてしまい、バイトを転々とする日々を送っていた。誠治の姉で、開業医のもとに嫁いだ亜矢子(井川遥)は、自堕落な弟の行く末を案じていた。それでも寿美子だけは、誠治を信じて見守っていた。