東京都立クロマティ高校、それは想像を超えた悪の巣窟。
暴徒と化した生徒たちが怒りのやり場を失い、後者を破壊すること計6回。
そしてこの年、7度目の校舎全壊の年になろうとは、誰も知るよしもなかった——。
もちろん、この映画の主人公で1年3組に入学した神山高志(須賀貴匡)もしかり。そもそもこの男は、入学した高校が不良学生ばかりの最悪な学校であることにさえ気付いていなかった。彼はただ中学時代、カツアゲされそうになった自分を助けてくれた山本一郎君と同じ高校に入りたかっただけなのだ(山本君は貧乏な上に頭も悪かった)。そうして心ならずも入学した“クロ高”は学力も最低レベル、教室の中で酒たばこは当たり前。拾った鉛筆を食べちゃうのもアリな、ある意味、人間離れしたヤツラの溜まり場だった。「こうなったら僕一人でもこの学校を変えてみせる!」。神山はややカラ回り気味ながら、イマドキの若者には珍しい正義感を燃え立たせる。そんな神山にも一緒にツルむ仲間ができる。低レベルな学校の中でもぶっちぎりに頭の悪い林田慎二郎(虎牙光揮)と、比較的常識を持っているせいでどうしても存在感の薄いツッコミ役前田彰(山本浩司)。これで彼の高校生活は軌道に乗るかに見えたが、九州への修学旅行でいきなりトラブルに見舞われる。飛行機がハイジャックされてしまうのだ。そこで、ウラ番の竹之内豊(高山善廣)が身を挺してみんなを守る(乗り物酔いが怖くて動けなかっただけともいう)。しかしマスクをしたハイジャック犯(板尾創路)が竹之内のふりをしてクロ高に潜入したことには誰も気付いていなか