戦後、どん底の日本で大きな夢を持って宇宙開発に乗り出した科学者がいた。今年生誕100年を迎える「日本のロケット開発の父」と呼ばれる糸川英夫だ。日本をわずか15年で世界4番目の人工衛星打ち上げ国に導き、彼が育てた技術や人材は小惑星探査機「はやぶさ」の快挙にもつながっていく。糸川の取り組みが、今世界をリードするまでに育った日本の宇宙開発の礎となっている。当時、資金もノウハウもない中、糸川はいかにしてロケット開発を進めたのか? その取り組みがいかに今の日本の宇宙開発に結びついているのか? 的川泰宣JAXA名誉教授を旅人に、未公開資料や当時の関係者を訪ねながら、日本の宇宙開発の黎明期を築き上げた糸川の型破りな発想力、行動力をドキュメントする。