2010年、日本の探査機「はやぶさ」帰還のニュースは多くの人に感動をもたらした。しかし、はやぶさより30年以上も前に地球を飛び出し、現役で旅を続けているアメリカの探査機があった。その名は「ボイジャー」。1977年の打ち上げ以来、これまで地球から眺めるしかなかった木星や土星、そして天王星、海王星の探査を行い、その素顔を次々と解き明かしてきた。木星の巨大な渦「大赤斑」に迫り、土星の輪の正体を突きとめ、天王星の自転軸の傾きを暴いた。そして今、ボイジャー1号は太陽系の境界域に到達、いよいよ数年以内に太陽系を脱出すると言われている。これからもボイジャーは未知の宇宙の姿を届けてくれる。ボイジャーが成し遂げてきた偉業を振り返りながら、現在も太陽系の彼方から送られてくる最先端情報も紹介。この小さな探査機ボイジャーにかけた研究者たちの大きな夢の軌跡を追った。