去年6月、日本の探査機"はやぶさ"が、7年間60億キロにおよぶ旅を終え、小惑星イトカワのかけらを地球に持ち帰った。飛行中のはやぶさに、次々と襲いかかるトラブル。しかし決して諦めず、ピンチを乗り越えつづけた科学者たちのドラマは、人々の感動と共感を呼んだ。しかし"はやぶさ"の物語は、そんな冒険だけではない。人類未到の小惑星に到達し、その様子を至近距離から撮影。さらに物質の一部を地球に持ち帰ったのは、これまで世界中のどの探査機も成し得なかった偉業だ。小惑星は太陽系が誕生した太古の情報を今に残す、「太陽系のタイムカプセル」と呼ばれている。科学者が、はやぶさが持ち帰ったかけらの年代を測定したところ、太陽系が誕生した46億年前の「タイムカプセル」であることが判明。今後の詳しい分析で、太陽系の起源に迫れると期待されている。あの感動の冒険物語から、最新の成果まで、はやぶさプロジェクトのすべてを紹介。