「ひぐらし亭」オープン初日。徒然亭(つれづれてい)一門の口上に照明をあてるうちに、喜代美は言いようのない思いにとらわれていました。やがて体調の落ち着いた喜代美が、改めて高座に上がる日がやってきます。くしくもその日は祖父・正太郎の命日でした。母・糸子や草々をはじめ、大勢の家族と仲間が見守るなか、喜代美は思い出の落語「愛宕山(あたごやま)」を演じはじめます。