「女川348」、「東松島1043」…。番号で呼ばれる東日本大震災の身元不明遺体。宮城県警OBの安倍秀一(71)は、残された遺体の名前を取り戻すことに、震災後の日々をささげてきた。安倍は、遺体写真から似顔絵を作成する専門家。これまで100人の震災犠牲者を描き、似顔絵がきっかけで24人の身元が判明した。遺体の尊厳を取り戻すべく、筆を握り続ける元鑑識課員の震災10年を見つめる。