アメリカ軍が「あらゆる地獄を集めた戦場」と表現した沖縄戦。そのさなかに米兵が収録した30時間の録音記録が見つかった。78年を経た今、戦場の声は何を投げかけるのか 米議会図書館に所蔵された「海兵隊戦闘記録」。兵士の声をラジオでアメリカ国民に届ける目的で収録された音源だ。最前線の戦況、激しい戦闘の直後の兵士の声…浮かび上がるのは、日本軍のゲリラ戦に翻弄され、軍民混在の戦場で神経をすり減らしていく様子だ。そして、兵士たちは「狂気」に身をゆだねてゆく。20万人以上の命が失われた沖縄戦。音源に加え、元兵士の消息を追い、“地獄”と呼ばれた戦場を「音」から再構築していく