ちどり

吉原最下層の“河岸見世”「二文字屋」で生きる女郎 吉原の周囲をめぐる「お歯黒どぶ」に沿って立ち並ぶ最下層の女郎屋が「河岸見世」。年齢や病気、愛想のなさなど、さまざまな理由で行き場を失った女郎たちが集まる。なじみの客でかろうじてにぎわう老舗女郎屋に比べ、市中の岡場所(非公認の遊郭)に客を取られ、客足の遠のいた河岸見世では、常に貧しさと病が蔓延(まんえん)する。 ちどりも行き場を失い河岸見世に転落した女郎の一人。そこでひとりの女郎に命を救われることになる…。