高校二年の夏。「静かに本を読める場所が欲しい」と願っていた楢崎は、ひょんなことから学内で有名なヤンキー・寺島と、二人きりで放課後の図書館の受付をすることに。第一印象で相容れないやつだと思っていたが、いつしか二人の時間を心地よいと感じはじめる。楢崎に勉強を教えてもらって期末テストの成績が上がった寺島は、「褒めてよ、もっと」とご褒美をお願いするが、夏休みを目前に二人で過ごす最後の時がやってきてしまい───
夏休みが過ぎ、図書館の受付係も終わった楢崎と寺島は会う機会がなくなっていた。そんな時、ある休日に、近所の公園でばったりと再会する。楢崎はとっさに「今度家に遊びに来いよ」と寺島を誘うが、親しい友だちにいうような言葉に、自分でも戸惑ってしまう。そんな中、寺島は、期末テストのご褒美を「今もらっていい?」と、思わぬ行動に───
学校の帰り、楢崎の家に寺島が遊びに来ることに。家族や好きな小説の話から、二人の距離は一気に縮まっていく。しかし、ストレートに気持ちを行動で示す寺島とは反対に、楢崎は、寺島に対するこの感情はいったい何なのか、自分でも分からなくなっていた───
楢崎の好きな小説を借りて読んだ寺島。「海が見たくなった」と感想を楢崎に伝えると、誘われて二人で海へ出かけることに。楽しそうな寺島をみて、「親しくなると誰にでもこういう感じなのか?」と悩む楢崎は───
深夜、酔っぱらった寺島を家の前で見つけた楢崎は、家族が寝静まった中、自分の部屋へと招きいれる。海での出来事に傷つき、やさぐれている寺島に向かって、楢崎は自分の気持ちを話しはじめる───