町村理絵(名取裕子)は、中学校の校長を務める傍ら、犯罪被害者を支援するボランティア活動をしている。理絵の元教え子で今は教師仲間の原口ゆかり(黒川芽以)の父親は、1年前に若者の無謀運転に巻き込まれ亡くなった。しかし被害者と加害者が対話し解決の糸口を探す修復的司法のひとつ、VOM(Victim Offender Mediation)を行ったことで、ゆかりは少しずつ加害者を許す心を持つようになる。 理絵は、同じく元教え子の若宮忍(駿河太郎)のことも気にかけていた。理絵の娘・花歩(美山加恋)、息子の智人(相馬眞太)とも親しくしている若宮だが、20年前の中学生の時に人を殺めた過去があり、少年院を出たあとの担任教師が理絵だった。若宮も被害者家族とVOMを行うことを望んでいたが、いまだ被害者家族の承諾が得られないでいた。 ある日、若宮が帰宅すると家の前で花歩が待っていた。若宮は一緒に蛍を見に行こうと誘う。蛍を見た花歩は若宮にある告白をして驚かせる。後日、勤務先でトラブルを起こしイラ立っていた若宮は、花火大会で若い男と楽しげに話す花歩を目撃。若宮は花歩を人気のない神社に連れて行き、裏切ったのかと問い詰める。その場を立ち去ろうとする花歩を、若宮は手にしていたドライバーで切りつけてしまう…。 警察で事件について聞いた理絵は、殺害された花歩が乱暴されていたことを知る。家では花歩が残した『被害者と加害者がわかりあえる日』と題した読書感想文を読み、泣き崩れる理絵。その感想文は、かつて通り魔殺人で我が子を失った折橋完(大杉漣)の著書『二人のために』について書いたものだった。花歩は「被害者と加害者がわかり合える日は、いつか必ず訪れる、そう信じている」と書いていた。しかし理絵は当事者となった今、犯人を絶対に許せないと思うのだった。 理絵がいない日を狙い、町村家に忍び込んだ若宮は花歩の日記を発見する。「私の中にあるのは若宮さんへの思いだけ」などと書かれた日記を見た若宮は、誤解していたことを知り激しく後悔し、そのまま日記を持ち去る。 そんな中、花歩殺害の犯人として、花歩の高校の担任教師・佐久間良二(清水優)が逮捕される。事件当日、花歩と一緒にいた若い男については「赤い服の男」と「黒い服の男」という二通りの目撃証言があったが、遺体に残された体液が佐久間のものと一致したのだ。 後日、理絵は弁護士の八木沼(