「マトリ」と呼ばれる麻薬取締官の亜希子(眞野あずさ)は一人娘の春音(唯月ふうか)との母子家庭。幼い頃、覚せい剤中毒の通り魔に両親を殺された経験から麻薬を憎み危険を伴うマトリの仕事に使命感を持って取り組む亜希子を、姉で刑事の奈津子(真野響子)も心配してしょっちゅう家にやってくる。 ある日、亜希子らマトリはおとり捜査で麻薬の売人・水田(福田卓弥)を確保する。現場にあった携帯電話から「ER」とされる人物が薬のネタ元であると推測するが、水田によると薬の受け渡し場所は毎回異なり「ER」からその都度指定されていたという。そして、いつも福岡ナンバーの車で現れていたことが判明する。 情報屋・江藤(吉満涼太)によると、最近南米から福岡に到着した麻薬の一部が関東に流れてきているらしい。しかし「ER」がイニシャルなのか記号なのかは江藤にも心当たりがないという。 そんな中、「ER」の携帯電話は生花店を経営する小林慎治(朝倉伸二)のものと判明する。前科のない小林がなぜ薬の運び屋に…?早速店の監視と周辺調査に乗り出した亜希子は、小林が借金取りから逃れるために妻の吉乃(山下容莉枝)と娘の理央(入来茉里)を残し、2か月ほど前から姿をくらませていることを知る。また、吉乃が花の配達に出かけた際、ビルのコインロッカーに立ち寄ってそこで取り出した箱をエステサロンに届けるところを確認する。 一方、奈津子は射殺体が見つかったという通報で廃墟ビルへ。遺体が所持していた写真から身元を割り出すと、それは小林だった。 小林が死体で発見されたと連絡を受けた吉乃は「昨日までメールをしていた」と取り乱す。遺体は射殺されてから1か月は経っているが、一体誰が小林になりすまして吉乃と連絡を取っていたのか…?吉乃と理央の監視を続けるマトリだったが、2人が寝静まったことを確認して監視を離れた明け方、吉乃が一人でどこかに出かけていき…。