売れない漫画家・綿貫忍(山口紗弥加)は夢を諦め、地元に戻って筆を置いた。しかし、昔描いた自作が電子書籍でバカ売れし、再度本気で漫画と向き合うことに。そんな中、アシスタントとして橘千秋(板垣李光人)という美しい青年と出会う。強引かつ不自然な忍へのアプローチを仕掛けてくる青年…彼は何かが“おかしい”。そして、そんな千秋と接する内、忍の中に内在していたある種の“歪み”が露呈してくるのだった……。
新作が不評で後が無くなった忍(山口紗弥加)。咄嗟に考えた次回作は“18歳年下の美少年との不倫モノ”。忍はその取材のために千秋(板垣李光人)を水族館に誘う。浮足立つ忍に対し、挑発的なアプローチと射殺すような視線をよこす千秋。いよいよ忍は千秋の“目的”を問いただす。そして千秋のある過去が明らかになる…。
夫婦関係に不穏な空気が加速する一方で、千秋(板垣李光人)とは“健全な”関係性を築き、仕事も順調な忍(山口紗弥加)。そんな中、道で並んで歩く千秋と冬子(酒井若菜)の姿を目撃する忍。違和感を覚え、尾行していると、一軒のアパートにたどり着き、忍は千秋の正体に繋がる衝撃の事実に気づく。不安を抱えきれない忍は、おそるおそる千秋にそのことを告げると…。遂に千秋の真の狙いが明らかになる。
綿貫家を崩壊させることが目的だったと告げた千秋(板垣李光人)。忍(山口紗弥加)と千秋の深刻そうな状況を目撃するも、それを何とも思っていない洋平(宮崎吐夢)に、忍は不倫に気づいていたことを告げる。そして洋平と寝室を離し、千秋とも距離をとることに。そんな中、とあるきっかけで忍は千秋の抱える闇の正体を知ってしまう。壮絶な悲しみを抱える千秋と、現在進行形で傷ついている忍…二人の心が近づき始める。
忍(山口紗弥加)が目を覚ますより先に、千秋(板垣李光人)は家を出ていた。不安が残る忍は千秋の実家を訪ねる。売春していた過去が、千秋にとって今でも大きな傷となっていたのではないかと忍は告げる。もはや愛がわからないと言う千秋。だが自分も傷付きながらも千秋と本音で向き合う忍に、千秋は提案する。二人で逃げましょうと。「行かない」と答える忍だったが…。一方洋平(宮崎吐夢)はある人物と再会し…。
一晩を共にし、激しいキスを交わした忍(山口紗弥加)と千秋(板垣李光人)だが、忍は一線を越えることを拒んだ。しかし二人でいる所を千秋の母・冬子(酒井若菜)が目撃。夫・洋平(宮崎吐夢)と息子・悠太(田代輝)にも、忍と千秋の関係が明らかに…。家族の関係に亀裂が走り、千秋とも距離を取ろうとする中、千秋からのネームが忍に届く。それを見た忍は、母として、妻として、そして…。遂に大きな決断を下す。
時は進み、忍(山口紗弥加)は45歳になった。漫画家としては順調にキャリアを積んでいるもののマンネリ感は否めない。一方家では息子が家を出てしまい、どこか空虚な日々。そんな中、漫画編集者で高校時代の元カレ・岡野(池内博之)と再会。何かを抱えた者同士、次第に意識し始める二人だが…。新たな物語が動き始める。
慢心を恥じ、再び漫画と向き合うことを決めた忍(山口紗弥加)。私生活では岡野(池内博之)と恋愛関係に。一見すると、千秋(板垣李光人)のことは既に思い出になっている様子だが―。そんな時、千秋の妻だという女性・みひろ(山口まゆ)から、忍は衝撃の言葉を聞いてしまう。そして偶然にも、忍と千秋は5年ぶりの再会を果たす―。
5年ぶりに再会した忍(山口紗弥加)と千秋(板垣李光人)。そこで千秋は、親密そうな忍と岡野(池内博之)を目にしてしまう。忍のことが気になる千秋だが、同棲中のみひろ(山口まゆ)と目の離せない母・冬子(酒井若菜)との日々に忙殺される。だが、忍が岡野と付き合い始めたことを知った千秋は、漫画を通して忍への強い思いを再びぶつけ始める。しかし、忍はそれを受け入れず…果たして忍の気持ちとは。
みひろ(山口まゆ)からの着信を受け、急いで駆けつける忍(山口紗弥加)と千秋(板垣李光人)。取り乱したみひろと千秋は口論に。二人の関係を見かねた忍は、みひろに忍の家で過ごすことを提案する。娘が出来たようで嬉々とする忍に、徐々に違和感を覚える岡野(池内博之)。同時に、忍と千秋の関係に対しても目に見えない絆を感じ、不信感と焦りを抱く。そして、岡野はある行動をとる。
岡野(池内博之)からのプロポーズに困惑する忍(山口紗弥加)。考えておいてほしいとその場を後にした岡野は、千秋(板垣李光人)にもプロポーズしたことを告げる。母・冬子(酒井若菜)に振り回され、心すり減る日々を送る千秋だが、忍への想いは消えない。そして忍はそんな千秋に、今まで言葉にしてこなかった気持ちを打ち明ける。一方、新たな人生の門出を迎えたはずの洋平(宮崎吐夢)は、ある事をきっかけに突拍子もない行動に出る。
洋平(宮崎吐夢)とケリをつけ、岡野(池内博之)と二人、新たな人生を歩み始めた忍(山口紗弥加)だったが、どこか上の空な様子。そんな中、息子の悠太(田代輝)が久々に帰ってくる。もう子供ではない悠太から、自分の為に幸せになるように言われ…。忍にとっての幸せとは?恋愛、仕事、人生。多くのことに悩み、ぶつかり合ってきた不器用すぎる大人たちが、それぞれの道を歩み始める。そして忍と千秋は―。