日本が国際連盟から脱退した昭和8年、ドイツも国際連盟からの脱退を表明し、国際社会から孤立する道を歩み始める。首相に就任したヒトラーは、ナチスによる一党独裁体制を確立する一方で、アウトバーンの建設や国民車フォルクスワーゲンの開発で経済を立て直し、国民から高い支持を得ることに成功する。国内では軍部の主導により関東で初の防空演習が実施され、国家改造を目標とするクーデター計画も発覚。社会不安が広まる中、それを吹き飛ばすような新しい音頭、「東京音頭」が登場。東京だけでなく、全国に広がり、盆踊りが大流行となる。皇室では、明仁皇太子が誕生。待望のお世継ぎ誕生に、国中が祝賀ムードに包まれ、奉祝歌も歌われる。満州では、満洲国が満洲帝国となり、溥儀が皇帝の座に就く。長年の願いがようやくかなった溥儀に突き付けられたのは、関東軍の言いなりにならなければ、自分では何もできないという厳しい現実だった。