NY株価大暴落に端を発する恐慌が、まさに日本に迫ろうとしている昭和5年。大蔵省出身でいわば金融のプロ、浜口雄幸首相がとる経済政策が、まさかのさらなる景気悪化を招き、人々のくらしは困窮します。さらに、海軍の軍縮を推し進めたい「政府」と、少しも軍備を縮小したくない「軍部」が真っ向から対立。矢面に立ち奔走する浜口首相が、ついには東京駅で狙撃されます。公然とふるわれる暴力、軍部の暴走…日本が暗い時代へと進み始めます。