私たちの細胞には「ミクロの毛」が生えている。それは私たちの祖先が1本のミクロの毛を持つ真核生物だった名残だ。その細胞に生えたミクロの毛は精子が動いたり、体液が流れたりするためのエンジンやセンサーとして働く。さらに司令塔のように遺伝子発現や、細胞分裂を操り、人体の臓器や組織の構造まで決めたりしているのだ。脳、神経、骨など、ほぼすべての細胞に存在する「ミクロの毛」。そのミステリアスな存在を妄想する。