動物に比べ、ヒトの怒りは複雑だ。爆発させたり、ため込んだり、ぶり返したり…それは怒りの多様な火種を生む、人間の脳の“前頭前野”が原因だ。前頭前野が未来を予測し、過去を記憶、さらに他者との公平性を重んじることで生まれる怒りの火種が、農耕牧畜文化以降の法や裁きによる社会秩序、革命、国家間の戦争、そして現代のネットでの炎上をも生み出してきた。ヒトの歴史の光と影から垣間見える、複雑な怒りの意味を妄想する。