ある日爺さまが蛙を呑もうとしている蛇に、呑まんでくれたら自分の娘を嫁にやろうと言い、蛙を助けた。 ある満月の夜一人の侍が訪れ、自分はあの時の蛇であり嫁を貰いにきたと言う。本当に来るとは思わなかった爺さまは憔悴のあまり寝込んでしまう。 三人の娘のうち、これを承諾したのは末娘であった。嫁入りの前、この末娘の所へ蛙が訪れ知恵を授けた。それに従い末娘は巨大なひょうたんを背負い、千の針を持って再びやってきた侍に従った。 ある淵に来た時、末娘はひょうたんと針を淵に投げ込み、嫁にしたかったら、ひょうたんを沈め針をすべて浮かべてみせろと侍に言う。侍は必死にひょうたんを沈めようとするが埒があかない。 やがて怒り出し大蛇の正体を現すと娘の逃げ込んだお堂を締め上げた。お堂がきしみもはやこれまでという所で急に外が静かになった。 外に出てみると大勢の蛙たちがいた。本当の恩返しに蛙たちが大蛇の腹を食い破って娘を助けたのだった。