千葉県いすみ市のキャンプ場にやってきたヒロシ。 広々としたフリーサイトには目もくれず裏山へとつづく道をのぼっていくと、わずかにひらけて秋の陽が射し込む場所を見つける。 少年のころ茂みのなかで秘密基地を作って遊んだ遠い記憶が呼び起こされたヒロシは、思い出をなぞるようにして藪のなかにこじんまりとした居場所をこしらえ焚火をはじめる・・・。 秋風がやさしく肌を撫でるように、穏やかな時間が流れたぼっちキャンプの一日を描く。