オレンジ色の光にぽっかり空いた黒い穴...今週、人類史上初めてブラックホールの撮影に成功したというニュースが世界中を駆け巡った。直径約1000億㎞で周囲の温度は60億度以上という途方もないサイズ感も含め、宇宙のロマンを感じた方も多かっただろう。 銀河系内の天体が発する電波をもとに、地球からの距離や天体の動きを高い精度で計測する最新の「電波望遠鏡」を世界各地で繋いで地球規模の巨大観測システムを構築し、ブラックホールの姿を明らかにするという今回のプロジェクトは成功すればノーベル賞とも言われて来た。 番組では日本人天文学者としてプロジェクトで活躍してきた本間希樹(ほんま・まれき)に2年4カ月に亘って長期密着し、歴史的快挙を成し遂げたプロジェクトの舞台裏に迫る。 「見えない宇宙の中でも究極に"見えない"のがブラックホールですよね。簡単に見えないからこそ面白い。人間はなんでも"見えないものを見たい"という好奇心から始まるじゃないですか」 はるか宇宙の彼方5500万光年先の「暗黒天体」を直接見る力を手に入れた研究者たちが、最先端の天文学によってまだ誰も見たことの無いブラックホールの謎を解き明かすまでの一部始終をカメラが追った。