夜の六本木で、彼に出会ったのは2年前… この街でキャバクラのボーイをする ゆうせい(26歳)は、アルバイトの身にも関わらず、仕事中に酒を飲むなど好き放題。遅刻や給料の前借りも当たり前。いきあたりばったりのその日暮らしを続けていた。 大学卒業後に就職した大手企業をわずか3日で辞めてからは、定職に就く気もなく、無計画に生きるゆうせい。愛想をつかした母親から実家の鍵を取り上げられていた。家を借りる金もないゆうせいは、女性の家に転がり込み、家賃や生活費も全て女性持ちという居候生活。今夜の食事ももちろん彼女のおごりである。 かつて、ゆうせいは将来有望な野球少年で、甲子園常連の強豪校に入るなど、プロ野球選手を目指していた。それを一番近くで支えて来たのが母親だった。幼い頃から一人息子の夢を一緒になって応援して来た母… それが今や、金のないゆうせいが頼るのは、母親に持たされた家族カード。支払いが母親なのをいいことに、ゆうせいはクレジットカードも使い放題。洋服を買い、温泉宿に旅行に行ってしまう。ある日、実家宛てに送った買い物を引き取りにゆうせいは実家に向かう。鍵がないので、開いている窓から忍び込むゆうせい。そして、鉢合わせた母の怒りが爆発する… 息子の自立を願う母親と「親の心子知らず」でその日暮らしの生活を続ける息子。母と子の関係に変化は訪れるのか…これは、ある母と“ダメ息子”の3年にわたる記録である…