2024年1月1日、能登半島を襲った大地震が街の光景を一変させた。石川・輪島市の観光名所「朝市通り」では、大規模な火災も発生し、通りのほとんどを焼き尽くした。 朝市通りに暮らしていた輪島塗八代目の桐本滉平さん(31)と妻の萌寧さん(27)夫婦の自宅兼工房も火災で全焼。初詣に出かけていた2人は無事だったが、飼っていた3匹の猫が行方不明となった。 跡形もなくなった自宅があった場所で猫を捜す滉平さん…その姿を海外メディアが取材し、世界で報じられた。 しかし、なかなか見つからない愛猫たち。猫がやってきそうな場所に捕獲器を仕掛けるものの、見知らぬ猫が入っていることもしばしば…「自分たちのように誰かがこの猫を探しているかも知れない」…桐本さん夫婦は、自分の猫を捜すだけでなく、他の人の猫も保護し、飼い主の元に届けることを決めた。 早速猫を保護しては、張り紙やSNSで情報を発信するように。いつしか、同じように飼い猫を捜す人たちが集まり、被災地の猫を捜索する輪は大きくなっていった。そして、「活動を支援したい」と、世界中から大量の支援物資も届くようになる… いつの間にか「猫捜索隊」の中心となった滉平さんには、依頼が殺到するようになった。 そんな中、滉平さん夫婦の飼い猫が見つかったという連絡が… 震災で家も仕事も失い、愛する飼い猫を捜し続ける夫婦を待ち受ける、思いもしない運命とは… 【語り】石田ゆり子