旅芸人一座の女座長。子どものころの駒が一時期身を寄せていた一座におり、再会した際には座長として諸国を巡りながらの興行を行っている。 京の遊廓で生まれたがすぐに捨てられ、摂家である近衛家に拾われて育つ[45]。その後、近衛家を離れてはいるが伝手と人脈が豊富な様子が見受けられ、依頼があると傭兵や武器を用意して斡旋したり、遠方からの要請に対して人を仲介するなどの仕事も引き受けている。 近衛家を離れる際に、荒廃した御所で方仁親王(のちの正親町天皇)に出会い、温石を譲り受けている[46]。親王の優しさに感じ入っており、京、特に美しい御所の復活が宿願ともなっている。