かつて栄華を極めた老舗ホテル『グランデ・インヴルサ』。若くして総支配人を務める桜井佐那(戸田恵梨香)は、プライド高いがやる気は0の超クセ者だらけの従業員に振り回され、大借金を抱えたホテル経営に頭を抱えていた。少しでも売上を…と、佐那が受け入れた団体客は、浴衣姿でロビーを駆け回り、好き勝手な食事を注文するなどやりたい放題。密かにホテルの身売りを目論む副支配人・時貞(渡辺いっけい)から、小言を言われる中、佐那はロビーで眠り込んでいる超絶ラフな格好をした謎の男・宇海直哉(岩田剛典)を、格式に見合わないという理由で摘み出すように言われる。溜息混じりで宇海に近づく佐那。と、突然起き上がった宇海は佐那が何かを告げる暇もなく、一方的に宿泊をしたいという要望を笑顔でまくしたてる。 宇海が宿泊を希望する部屋は、このホテルで一番高価なスイートルームで……。流れるまま宇海の宿泊を了承してしまった佐那だが、宇海は次々と不可解で面倒な注文を連発。極め付けはまだ肌寒い4月に屋外のプールで泳ぎたいと言い出す。困り果てる佐那。しかし、時貞や佐那を毛嫌いするバー責任者・枝川(りょう)をはじめ、クセ者スタッフたちは面倒な仕事はお断りと総スカン。すべてを佐那が引き受けることに……。その時、このホテルに5年に一度宿泊に訪れる古参の客、笹川加奈子が孫の奈菜美を連れて来店する。手もみをしながら得意気に応対する時貞。一方総支配人である佐那は宇海の注文を受け、一人ツナギ姿でプール掃除へ。……そしてスタッフ控室で一人雑誌を読んでいた事務責任者・丹沢(鈴木浩介)は
佐那(戸田恵梨香)の申し出を快諾した宇海(岩田剛典)は、人気ホテルの副支配人の座を捨て、崖っぷちホテル『グランデ・インヴルサ』で働くことに。早速社員全員を集合させてのミーティングを行った宇海が最初に言い渡したのは、なんと社員の人事について。時貞(渡辺いっけい)に代わり自分が副支配人に就くことを宣言したかと思えば、江口(中村倫也)の代わりに若く経験のないパティシエのハル(浜辺美波)を総料理長に任命!さらに、数日間ホテルを閉めて古い設備を改修することをなんの悪気もなしに言い放つ。戸惑う一同を置いてけぼりに、宇海は『ホテルの財産』ことこれまでインヴルサを訪れた顧客名簿全てに目を通すよう従業員たちに命じる…!!ざわつくホテル内。が、そんなことを気にもしない空気の読めないパティシエ改め総料理長のハルが、顧客名簿からかつて「幻のケーキ」と呼ばれていた人気メニューを見つけ出す。このケーキを作ってみたいと意気込むハルを見て、宇海は改修後の最初のイベントに「ケーキフェア」を行うことを提案。なぜ「ケーキフェア」という普通極まるイベントを行うのかと不思議に思う一同。面子の潰された江口や、ますます足並みの揃わなくなる従業員たちに気を揉む佐那だが、その裏で時貞、枝川(りょう)、丹沢(鈴木浩介)はイベントの失敗を企んでいて…。はじまった大改革の第一歩。クセ者従業員たちの様々な思惑が渦巻く中、宇海だけは一人いつものように楽しそうな表情を浮かべる。小さな小さなイベントはやがて、このホテルに必要な大きな何かを生み出すとは今はまだ誰も知らずに……。破
降格人事に不満の時貞(渡辺いっけい)と江口(中村倫也)は、自らを元の役職に戻さないならホテルを辞めると佐那(戸田恵梨香)に直談判。それを知った宇海(岩田剛典)は、なんと新規客獲得のための企画対決で勝った方を元に戻すと提案する。何か考えがあっての降格人事だと思っていた佐那は愕然。人事を競争に使うことに抵抗を感じる佐那だが、宇海はそんな佐那に二人の勝負のジャッジをするように言い出す。全体ミーティングで宇海が企画勝負を発表すると、長吉(宮川大輔)までも前々からやってみたかったという新たな企画をやりたいと言い始める。3つの企画の準備が進む中、時貞が他の従業員を自分の味方に取り込もうとする一方、江口は自分が勝てば総料理長を降りることになると知りつつ明るく協力するハル(浜辺美波)に複雑な思いを抱いていた。そして、各プランの客の宿泊日。時貞の『究極のセレブ体験プラン』には大事な商談のために訪れた富田(羽場裕一)が、江口の『一流フレンチの調理体験プラン』には父子で参加する大村敬三(渋川清彦)・裕司(田中奏生)親子が、長吉の『プロのベッドメイク講習プラン』には将来ホテルで働きたいという小山内裕子(川栄李奈)がやってくる。果たして企画バトルの結果やいかに!?そして、佐那に判定を任せた宇海の真の狙いとは!?
丹沢(鈴木浩介)からグランデインヴルサを辞めて近くに建設予定のビジネスホテルに転職するという衝撃の告白を受けた佐那(戸田恵梨香)。長年経営を支えてきた丹沢を引き止めたい佐那だが、宇海(岩田剛典)はあっさり後任者の採用面接をすると張り切り…。時貞(渡辺いっけい)は着服の秘密を共有する仲間だと思っていた丹沢から突然裏切られたことにショックを受け、従業員にも動揺が広がる中、今度は尚美(西尾まり)と大田原(くっきー(野性爆弾))が丹沢についていくと電撃発表!ホテルの大ピンチだが宇海は辞める三人を引き止めもせず、歓送パーティーと三人分の採用面接をする、とドライなKY発言で皆を驚かせる!!そんな中、お金さえあれば三人を引き止められると考えた江口(中村倫也)は、庭の池で偶然見つけたホテルに伝わる『幸運の食材』にあやかろうと考えていた…。そして、去る者と残る者それぞれに複雑な気持ちを抱えたまま迎えた採用面接の日。新しい出会いにワクワクするという宇海以外は後ろ向きなメンバーの元を訪れたのはホテルマンとしては絶望的な人材ばかり。そんな中、宇海が声をかけたという初老の男性・小山内(長谷川初範)を見た枝川(りょう)は、尊敬する佐那の父・剛の面影を感じ…。別れの時が迫る中、やはり今のメンバーでホテルを続けたいと願う佐那に、宇海は愛を持って送り出すのも支配人の役目だと話すが…。宇海が仕掛ける大逆転のシナリオとは!?そしてなんと新たな救世主が登場!?
身内も騙す宇海(岩田剛典)の作戦で大ピンチを乗り越えたグランデ・インヴルサ。清掃部には逆転劇に一役買った小山内裕子(川栄李奈)が加わる。そんな中、宇海が知人からホテルでの挙式を依頼されたことを機に、ブライダル事業へ参入することを発表!経営の改善に期待を寄せる佐那(戸田恵梨香)と丹沢(鈴木浩介)が賛成し、従業員たちも盛り上がる中、宇海に敵対心を持つ時貞(渡辺いっけい)は一人輪の中に入れず…。しかし、挙式に指定されたのはなんと5日後!海外を飛び回っている依頼人とは直接打ち合わせする機会さえないという厳しい条件のもと、ウェディングプランナーをしてほしいという宇海からの無茶振りをいつもは非協力的な枝川(りょう)がなぜか引き受け…。一方、裕子から宇海が古巣のバリストンホテルの人間と怪しい電話をしていると聞いた佐那は、インヴルサを見捨てる気かもという裕子の推測に、宇海を信じつつも不安を抱える。そんな中、寝る間を惜しんで式のプランを作った枝川に、宇海は当初はおまかせと言っていた依頼人からの後出しの無理難題発注を次々伝える。本番まで時間が無い中、担当部署から次々と断られ、全ての要望を叶えることはできないと根を上げた枝川に、宇海は「大人が夢を叶えるにはどうしたらいいか」と問いかける。プランナーを引き受けた枝川には佐那も知らない、ある思いがあるのだが…。ホテル初のブライダルイベントに向け、大パニックのカウントダウンが始まる!注文の多い結婚式がここに開宴!そして、宇海がまたも巻き起こす衝撃の結末とは…!?
ブライダルイベントを乗り越え、スタッフ同士の結束が固まり始めた矢先、「時貞(渡辺いっけい)が暴力を振るったので厳正な処罰をしなければ訴える」という差出人不明の告発状がホテルに届く!驚く宇海(岩田剛典)と佐那(戸田恵梨香)だが、時貞は何かのイタズラだと暴力を否定。しかし告発状を見てしまった裕子(川栄李奈)により「時貞が暴力事件を起こした」という噂はあっという間にホテル中に広まり…!!そんな中、かつて常連だった自治会長の後藤(でんでん)が乗り込んできて時貞を出せと騒ぐ!時貞を見るや「部屋を用意しておけ」とその場を去る後藤の顔にはなんと怪我が…。告発状の差出人が後藤だと皆が確信する中、宇海だけは昔の常連を再び呼び戻してくれたとポジティブ発言で時貞に感謝!当の時貞はワケありの様子ながらも後藤の宿泊になぜか反対せず…。しかし、娘を連れて戻ってきた後藤は用意された部屋ではなく、いつも泊まっていたという“屋根裏部屋”に通せと怒りだす。かつては客に貸すこともあった屋根裏は今や荒れ放題。一人はりきる宇海も手伝い、長吉(宮川大輔)たちが急遽掃除に駆り出されるが、時貞の個人的な揉め事のフォローに振り回されるスタッフの不満は高まるばかり。そんなスタッフに礼も言わず傲慢な態度で孤立を深める時貞は「暴力を振るっていない」という言葉を信じていつも通り接する佐那に何かを打ち明けようとするのだが…。そんな中、今度は綺麗になった屋根裏に案内された後藤が「全然掃除できていない!」と怒鳴り散らす!!宇海も頭を悩ますクレーマー客!?後藤の目的は何なのか?そして
ホテルに告発状を送っていたのは、なんと佐那(戸田恵梨香)の兄で元総支配人の誠一(佐藤隆太)!めちゃくちゃなホテル経営で多額の借金を作り、2年前にお金を持ち逃げして行方不明となっていた誠一が無一文となり再びホテルに現れて…。かつての身勝手なモンスター支配人ぶりを知る従業員たちは、笑顔で“マイファミリー”と呼びかける誠一を警戒するが、初対面の宇海(岩田剛典)はあろうことかすっかり意気投合!?しかもいつの間にかホテルの株の過半数を持つ筆頭株主となっていた誠一は「今日から自分が総支配人だ」と宣言する!ようやく軌道に乗ってきたホテルのためにも誠一を追い出す術はないかと頭を悩ます面々だが、宇海は「ホテルのために生きる」と言う誠一に従おうと話す。そんな中、誠一が構造改革のためにポジションを大シャッフルすると言い出す。猛反発の中、誠一は自分に賛同する宇海以外のスタッフを配置換えし、ホテル中が大混乱!抗議する佐那だが誠一は悪びれる様子もなく、放っておいても潰れるホテルを売って金にするつもりだと告げ…!!最初からホテルを使い捨てるつもりだった誠一に対し怒りに震える佐那。何も知らない従業員たちはシャッフルされたその役職でも、ホテルのためにと懸命に働いていて……。噂の佐那の兄が登場!超自由人が総支配人を名乗り出たことで再び崖っぷちに立たされたグランデ・インヴルサに本当の大逆転の手立てはあるのか!?
この日、ホテル・グランデ・インヴルサにやってきたのは、豊かな自然資源を持つマナヒラ王国という国の7人の王女様たち!連日来日がニュースで取り上げられる国の重要人物たちがなぜかこのインヴルサに宿泊に来る……。浮き足立つ一同だが、時貞(渡辺いっけい)はもし何か失礼を働いて自分たちのせいで国交断絶にでもなれば国の嫌われ者だと騒ぎ、ホテルの大ピンチだと危機感を煽る。反対に宇海(岩田剛典)はホテルの認知拡大の大チャンスとはりきるが、いざやってきた7人の王女は現在次期王位継承について絶賛争いを繰り広げており、非常に不機嫌な状態であった。「ベッドメイクがなってない」「イケメンを発注したい」など、様々な注文が繰り広げられる中、佐那(戸田恵梨香)が7女の王女ナディアを部屋に案内すると、彼女らのホテル滞在の目的がかつて王が経験した『忘れられないディナー』を体験してこいと命じられたからであることが発覚する。宇海は今回の王女の接客を「インヴルサの総力戦」と名付け、全員を担当編成で組み分け、『忘れられないディナー』の制作はハル(浜辺美波)と江口(中村倫也)にお願いする。それぞれが全力で応対する中、なぜか様子がおかしい大田原(くっきー(野性爆弾))。彼はこんな大変な業務の最中、一人の王女に一目ぼれをしてしまう……。王女たちのワガママな注文の訳、そして『忘れられないディナー』の正体とは。この日、インヴルサの本当の大逆転の口火が切られることになる……。その鍵は、『ワクワク』することにある!?その意味とは!
王女たちの滞在が話題となり、一躍時のホテルとなったグランデ・インヴルサ。テレビの密着取材も組まれ浮かれる時貞(渡辺いっけい)だったが、やってきた番組ディレクターの藤井は宇海(岩田剛典)の正体に気づいた途端目の色を変え「バリストンホテルを追い出された」という悪い噂について宇海から聞き出そうとして…!?一方、目前に迫った創立50周年のイベントで宇海は長年の夢だった花火大会を実現したいと佐那(戸田恵梨香)に相談する。天候に左右されるリスクはあるものの、佐那はホテルの危機を救ってきた宇海の夢を叶えるためにもスタッフと一丸となり準備を始める。そんな中、取材の企画書が当初聞いていたものではなく『グランデ・インヴルサの真相』というスキャンダラスなタイトルに変わっていることに気づいた裕子(川栄李奈)が佐那に報告。そして、厨房ではハル(浜辺美波)から「バリストンでは花火を企画しなかったのか?」と聞かれた宇海が「企画はしたが…」と珍しく口ごもっていた…。宇海の噂を執拗に探る藤井に毅然とした態度で接する佐那だが、裕子に話を聞いた長吉(宮川大輔)が取材を止めた方がいいと佐那に直談判したことがきっかけで藤井が宇海の悪い噂を嗅ぎ回っていることは皆の知るところに。佐那は放送内容を事前に確認する約束を取り付けたことを説明し皆を安心させるが、宇海は噂に惑わされずに自分を守ろうとするスタッフたちの姿を見て「バリストンホテルを追い出された」という噂の真相を皆に話すことを決意する。それはかつて企画した花火大会での失敗が原因なのだが…。さらに、もう一つの気
スタッフ一丸となり宇海(岩田剛典)の夢だった花火大会を大成功させた矢先、佐那(戸田恵梨香)はバリストンホテルの支配人から宇海を引き抜き返したいと言われる!さらに、スキャンダルを嗅ぎ回っていた密着番組の放送日が変わり、内容を事前確認できなくなったことにも不安を抱える佐那。そんな中、連日満室のホテルには急遽川北久美(谷村美月)率いる11人の団体客がやってくる。業務見学目的で来たという団体客は忙しい厨房や清掃の様子を見て回り…。実は久美は崖っぷち経営に悩むホテル・スイーヴルの若き支配人。崖っぷちからの大逆転を遂げたインヴルサに学びたいという相談を受けていた宇海が呼び入れていたのだ。しかし、スイーヴルのスタッフは若い久美に反発する宿泊部や飲料部、強面のフロントや手癖の悪い清掃員など、曲者ぞろい!それはよく見ると3ヶ月前の自信のなかった佐那とやる気のなかったスタッフ一人一人にまるで生き写しで…!!そのことに気づいた裕子(川栄李奈)は宇海の行動にある予感がし、時貞(渡辺いっけい)たちに相談。同じ頃、佐那も宇海の行動に胸騒ぎを感じていた。それは、インヴルサでの仕事をやりきった宇海が新たな大逆転のワクワクを求めてスイーヴルに行くつもりではないか、という予感。そして、少し話をしたいという宇海に連れられ、佐那は二人の始まりの場所であるプールへと来る。そこで明かされるのは、宇海がこのホテルに来た本当の「理由」であった…。全ての伏線が絡み合い、物語は完結へと向かう。そこにあるのは、このドラマ史上最大の感動のクライマックスであった。崖っぷち