全長1万キロにおよぶ巨大海流・黒潮。日本列島に沿って流れ、沿岸のみならず陸にも影響を与える。恵みを受けるのは「黒潮の狩人」と呼ばれる漁師たち。縄文時代からあるカツオ漁は、日本人の食と文化を形づくった。また、暖かい黒潮の上で発生する積乱雲は雨を降らせ、豊かな森を作る。そのため稲の神が黒潮の沖にあるとして祈る集落も。列島各地に残る風習や風土を通じて、黒潮と日本人の営みをひも解いてゆく