東京から1000キロ離れた亜熱帯の島、小笠原諸島。島に行くには船旅で24時間。 今も豊かで貴重な動植物が守られており、平成23年に世界自然遺産に登録された。 その歴史も独特だ。19世紀、無人島だった島に欧米人が移住、その後江戸幕府が日本領地として宣言。戦後はアメリカの統治下におかれ、日本に返還されたのは昭和43年のこと。 こうした歴史の中で、今も欧米系島民と日本人が混在。大和民族的なものと欧米系、ミクロネシア系民族の影響を受けた文化が残されている。 現在、小笠原村の人口は父島が約2千人、母島が約5百人。平均年齢は39歳と、老人が 少なく若者や子どもたちが圧倒的に多い。それを支えているのが、島に移住してきた若い新住民たちだ。彼らは古くからの島民と一緒に、農業や漁業で生活している。中でも伝統のメカジキ漁などを行う漁師たちの3分の2は新しくやってきた若者で、島の産業の大黒柱となっている。 日本に返還されておよそ半世紀。遠く離れた地で生きてきた島の人々の生き様、そして新しく移り住んできた人々との絆を通して、よそ者でも垣根なく受け入れてきた島の風土を見つめる。 <オムニバス項目(抜粋)> ●セーボレー一族の末裔たち・・・もう一度島に戻ろう!思い出の先祖の地にホテルを開業した母と息子。 ●命の旅路・・・30年かけて故郷の海に帰るといわれているウミガメ。ひと夏の命の継承。 ●95歳の少女たち・・・昭和19年、強制疎開で離別。再開のきっかけは思いを託した歌。 ●若者たちの海・・・内地の若者たちが支える漁業。10年頑張って独立の夢を掴む。 ●コーヒーロード・・・戦争でジ