スリランカの仏教遺跡、ポロンナルワ。12世紀に栄えた都の面影を色濃く伝える世界遺産です。今、この美しい古都をすみかにしているのは、人ではなくサル。30匹ほどの群れで暮らすトクモンキーです。群れはアルファ・オスを頂点とする厳しい階級社会。メンバーにはハッキリとした順位が決まっています。オスは6歳ほどになると、生まれた群れを出て別の群れに入らなければなりません。しかし、群れに入ろうと志願しても、すぐには正式メンバーにはなれません。身分の低い、いわば見習いの立場からスタートします。群れのメンバーが食事をしていても、見習いの若オスたちは木の上から見ているだけ。一緒に食事をすることも許されません。見習いたちはいつも痩せてガリガリ。早く正式メンバーになるしか、生きる道はないのです。そのため、群れの正式メンバーのオスたちに自己アピールを繰り返して、自分がいかに役に立つかを知ってもらわなければなりません。いわばサルの就職活動です。正式メンバーになれるのはせいぜい1匹という超狭き門!若オスたちは自己アピールのため、見張り役を買って出たり、ライバルの群れとの戦いで危険な最前線に立ったり、有力者のベビーシッターを買って出たり。人間顔負けのアピール合戦を繰り広げます。番組では、正直者だけど要領の悪い、1匹の若オスに密着。数々の苦難を乗り越えながら成長していくさまを見つめます。汗と涙の“就活”物語です。