港町サンルイス(ブラジル)。旧市街の建物の多くは、一面ポルトガル風のタイルで覆われている。「タイルの街」と呼ばれるゆえんだ。南米でこれほど広範囲に良好な状態で保存されたコロニアル様式の街並みはないという。石畳の坂道や階段が多く、ロバや馬がのんびりと引く荷車とすれ違う。マンゴーの木陰でくつろぎ、陽気にサンバを楽しむ人々、タイルの街並みを愛してやまない住人たちに出会い、歴史ある港町のぬくもりに触れる。【語り】矢崎滋