「老いは文明が引き受けるべき課題だ」というボーヴォワールの視点から、老いてもなお尊厳のある生き方ができる社会とはどんな社会なのかを深く考える。 各国の社会保障制度や年金制度、高齢者施設の在り方などを徹底的に調査したボーヴォワールは現行の制度では人間の尊厳は踏みにじられていると批判する。更に数少ない理想的な対策の事例を通して人間が尊厳をもって老い死ぬことができるためには何が必要かを徹底的に考えぬくのだ。第四回は、「老いは文明が引き受けるべき課題だ」という視点から、老いてもなお尊厳のある生き方ができる社会とはどんな社会なのかを深く考える。