「時間」「空間」という形式で受容された直観を「悟性」によって「カテゴリー」に当てはめて統一することで初めて万人が共有できる「知」が成り立つというカント認識論。 私たちは「時間」「空間」という眼鏡をかけて世界を認識しており、その規格が共通だからこそ科学や数学が客観性をもつというカント。更にもう一つの共通規格である「悟性」が、感覚的素材を量、質、関係、様態といった「カテゴリー」に当てはめて統一することで初めて万人が共有できる「知」が成り立つという。第2回は、認識能力の限界を見極めるカントの洞察を通して、「人間が何を知りえて、何を知りえないか」を明らかにする。