平家一門は最後の決戦上、壇ノ浦へと追い詰められていく。そこで一人ひとりの最期が克明に描かれる。「平家物語」は、彼らの魂を鎮めようとする物語であるのだ。 平家一門は最後の決戦上、壇ノ浦へと追い詰められる。そこでは一人ひとりの最期が克明に描かれる。優柔不断と親子の情愛により生捕にされた宗盛父子、全てを俯瞰(ふかん)し洞察していたが何もできず「見るべき程の事は見つ」といって自害する知盛。それぞれの最期は、平家一門の中に必要だったが生かすことができなかった大事なものを浮き彫りにする。また「平家物語」は、彼らの魂を鎮めようとする物語だということも見えてくる