オルテガは、大衆化に抗して自由主義(リベラリズム)を擁護する。その本質は野放図に自由だけを追求するものではない。そこには「異なる他者への寛容」が含意されている。 オルテガは、大衆化に抗して、歴史的な所産である自由主義(リベラリズム)を擁護する。その本質は、野放図に自由だけを追求するものではない。そこには「異なる他者への寛容」が含意されている。多数派が少数派を認め、その声に注意深く耳を傾けること。「敵とともに共存する決意」にこそリベラリズムの本質があり、その意志こそが歴史を背負った人間の美しさだというのだ。オルテガの思想から大衆社会への処方箋を読み解く。