太宰治の代表作「走れメロス」。物語の真の主人公は「王様」だというのは若松英輔さん。人殺しをものともしなかった王様だけが物語を通して心を大きく変えていくのだ。 教科書にも載っている名作文学「走れメロス」。友情をテーマにしたちょっとクサい物語と思うなかれ。実は、この物語の真の主人公は「王様」だというのが批評家・若松英輔さん。人殺しをものともしなかった王様だけが物語を通して心を大きく変えていくのだ。若松さんにならって、登場人物たちを自分の内面にある「働き」ととらえると、文学の面白さがまるで変わってくるという。「走れメロス」の知られざる魅力に迫る。