仏教を研究することで、日本における「私」のあり方を明らかにしていった河合隼雄。西欧の自我とは異なり、日本での「私」は、自他が浸透し合った流動的な存在だという。 仏教を研究することで、日本における「私」のあり方を明らかにしていった河合隼雄。西欧とは異なり、日本での「私」は、自他が浸透し合った流動的な存在なのである。それは、心の治療を行う上でも新しい地平を開く新たな視点だった。第4回は「私とは何か?」という人間にとって最も根源的な問いに仏教と臨床心理学の双方から新たな光を当てるとともに、「人間は他者とどう関わっていけばよいのか」を学んでいく。