過去を消し去るために殺人を犯した人物を描く「砂の器」。音楽家としての栄光をつかんだ和賀英良に背負わされた十字架は、幼少期に受けたいわれなき差別や偏見だった。 過去を消し去るために殺人という手段をとらざるをえなかった人物とその心理を描く「砂の器」。音楽家としての栄光をつかんだ主人公・和賀英良に背負わされた十字架は、幼少期に苦しめられた、いわれなき差別や偏見だった。近代化を成し遂げたにもかかわらず、依然として日本に残る迷妄きわまる差別構造が人を犯罪に追いやる原因となる。第二回は、近代化・高度経済成長を経てもなお、日本に根強く残る歴史の古層を暴き出す。