何度も日本を訪れたレヴィ=ストロースは「野生の思考は日本にこそ生きている」と考えた。日本文化の中に今後の社会を変えていく大きな可能性を見つけることができるという レヴィ=ストロースは晩年、何度も日本を訪れた。文楽を観劇し、職人たちの仕事ぶりを見学するなど、精力的に日本各地を巡った彼は、その豊かな文化、世界観に驚き、「野生の思考は、日本にこそ生きている」と考えた。各地で行われた講演録を読み解くと、日本文化の中に、今後の社会を変えていく大きな可能性を見つけることができる。第4回は、彼が提唱した「野生の思考」が、どのような形で日本の中に生きているのかに迫る。