全宇宙こそ「仏性」であるという道元。この見方に立てば私たちは仏性の中で呼吸し、仏性の中で生活していることになる。全ての存在が仏性であるという壮大な世界観に迫る。 「一切が衆生なり、悉有が仏性なり」。衆生が悉有(全宇宙・全存在)であり、その全宇宙こそ「仏性」であると道元はいう。この見方に立てば、私たちは仏性の中で呼吸し、仏性の中で生活していることになる。それは、仏こそ万物を生かしている命であり、山川草木全てがそのまま仏の命のあらわれであるという壮大な世界観である。第三回は、「仏性」の巻を中心に、あるがままの姿に仏をみる道元思想の神髄に迫る。